太陽光がもっとも発電する角度って??
実は太陽光発電には、もっとも効率がよく発電できる角度が存在します。
それは、ずばり30℃です!!
と、断言しちゃいましたけど、
実際は、設置する住宅の緯度によって、多少変わります。
全国平均にすると、だいたい30℃になるので、
30Cにすると良いと言われてるんですね。
この30℃という角度ですが、かなり急です。
屋根の勾配は、寸で表示するのですが、
30℃となると、6寸勾配になり、かなり急角度の屋根になります。
一般的には、瓦の屋根で4寸勾配(約21℃)
最近、多い、ガルバリウム鋼板の屋根になると、
2寸勾配(約11℃)しかありません。
最適角度から離れるにつれ、発電量は目減りしていきます。
設計段階で計画すればお得?
新築を建てる際に太陽光パネルの最適角度で
屋根勾配を設計すれば、効率良く発電できるのでは??
そのように思うかもしれません。
実際、そういう要望をされたお客様がいらっしゃいました。
その時は、
「止めた方がいいです」と、すぐに否定したんです。
理由は2つ
・上の表を見てもわかるように、角度における発電量の差は
微々たるもの。
・屋根勾配を30℃にすると、足場が急角度になるため非常に作業が危険になります。
そのため、屋根足場という特別な足場が必要になります。
その費用も余分にかかってきますし、その時だけでなく、屋根のメンテナンス、
太陽光パネルの移動時など、屋根作業をする度に必要になる足場ですので、
発電量で少し得するより、はるかに大きな出費がかさみます。
この説明で、しっかり納得して頂けました。
設計段階で重要なのは、太陽光パネル角度なんてものではありません。
太陽光発電に関する情報サイトは、たくさんありますが、
サイト運営者の情報が、太陽光に偏りすぎですね・・・・
おそらくほとんどの人が、太陽光パネルを設置するのは、
売電で、電気代を得しようという考えだと思います。
だからこそ、設置費用を何年で
改修できるかをシミュレーションしますよね?
それより大事なのは冷暖房費のかからない家を建てる事
たしかに、太陽光パネルの設置にかかるお金を
売電で何年で回収できるかは気になります。
しかし、それよりも重要なのは、
そもそも冷暖房費がかからない家を建てることなんです。
太陽光パネルがどれだけ発電しても、
それ以上に、冷暖房費がかかっているようでは、
効率悪すぎです。
でも、そんな家が、いっぱい。
特に田舎にいくと、隙間だらけの家の屋根にも太陽光・・・
しっかり、断熱性能の高い家をまずは作る。
その予算をしっかり確保する。
その上で、あまった予算で太陽光パネルを載せる。
これが、一級建築士の私が思う、最適な考え方です。
しかし、残念ながら太陽光発電の売電収入という甘い汁に騙され、
太陽光パネルを無理して載せて、夏暑くて、冬寒い家に住んでる人が
後をたちません・・・
太陽光パネルを載せても、何ひとつ家の快適性はあがりませんよ!
それを忘れないでください。
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まとめ
太陽光発電で元をとるためには、
太陽光パネルの設置角度はそれほど気にしなくていい。
それより重要なのは、太陽光パネルが
いくら発電するかを考えるよりも、
まずは、いかに冷暖房費を使わないで暮らせる家を建てるかを
考える方が重要。